私のトレーニングを受けて頂いている20代のバレエダンサーさん。
自分が通っているバレエスタジオのお手伝いとして小学生にバレエを教えているようなのですが
先日こんな発言を聞いた!と、内容を教えてくれました。
以前から、足指が使えないと床を押すことも捉えることも出来ないから「グー」「チョキ」「パー」を出来るようになりましょう!と小学生に教えていたところ…
「ポワント履いたら足の指グーになるから足広げる必要ないんだよっ!」
と言われたそう。
このお話を聞いた私はショックですよ・・・
ですが、このような考えのバレエダンサーはたくさんいるのでしょうね。
バレエをされている方であってもポワントを履くだけの為の足では無いはず。
当たり前のように靴だって履くし、裸足になる時だってある。
じゃあどうして「パー」が出来ないコトにより都合が悪くなるのか?
1つは正しい歩き方が出来なくなります。
指を丸めるようにして身体のバランスを取ろうとすると、重心は段々指先にかかってくるため前傾姿勢になってきます。
その姿勢のまま歩き始めると、踵から床につくのではなくペタペタと足裏全体を床につけるような使い方が身につきます。
通常歩く時は、踵から指先へ重心が移動するはずなのにそれが出来なくなります。
そして踵に乗らない使い方で常に動いているとアキレス腱や足裏に違和感や痛みなどを引き起こす場合もあります。
それだけでなく、ペタペタ歩きは股関節の可動域を多く必要としないのでこの癖がある人は股関節の可動域も減ってしまいます。
身体は、使われていない部位は『不要』と判断するため錆びついてより動けなくなります。
身体の面積からして足の指って小さいし、存在も忘れがちかもしれませんが
指の使い方ひとつで身体全体の使い方が大きく変わってしまうこともあります。
3か月前にも同じようなお話をしていたのでこちらも参考にリンクを貼っておきます。
トレーニングに通っているスケーターの中に年末から足指が使えるようにと頑張っている子がいます。
ビクともしなかった左の指が少しずつ反応し始めています。
その甲斐あって身体のバランス機能も本人が自覚するほどに安定が増しました。
足の指が自分の意志でコントロール出来るようになるために要する期間は人それぞれ。
私自身は1ヶ月程度でしたが、3か月経って親指が少し動き始めた程度という人もいます。
いかに根気よく向き合えるかが大事になってきます。
「太腿が太くなってでもポアントに乗れればいいじゃん!」
「お尻使えなくても踊れてるんだしいいじゃん!」
と思うのであれば、今日のお話はそのダンサーには必要ないかもしれませんね…。
そんな考え方のダンサーが1人でもいないことを願いますが。