バレエの不思議


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葵接骨院では多くのフィギュアスケーターを診ています。

そして、最近ではご縁もあり多くのバレエの方も診させていただいています。

スケーターを診るために練習や大会に足を運んでいるように、

バレエにかかわるようになってから作品を観に行ったり、

バレエのクラスを見学させてもらったりする機会も増えました。

 

日頃、フィギュアスケーターをみている私からすると、とっても不思議なことがありました。

それは、バレエの練習場と発表の場の多様性。

 

フィギュアスケートってリンクの国際規格があり、最大で30m×60m 最少で56m×26mとなっています。

ほぼどのクラブチームもこのサイズで日頃から練習をしています。

“ほぼ”というのは、サブリンクがたまにあるのと、最近よく映る羽生選手のいるクリケットクラブは違う。

余談ですが・・・・羽生君のいるクリケットクラブはスケートクラブではなく、いわゆるスポーツクラブの中のリンクなのです。

話を戻して・・・・簡単にいうと、普段から試合用、本番用のリンクでスケートの練習をしているということ。

このあたりがスポーツだなぁと思う。

 

一方、バレエは?というと、教室ごとの練習スペースは本当にさまざま。

いわゆるバレエスタジオの国際規格がない。

私自身もセミナー開催のためにスタジオレンタルをするのですが、

その多様性にびっくりしました。

この広さはどれくらい?こっちはどれくらい?という感じで、毎回毎回、縦横の長さを思いめぐらせ

実際に講師の方に広さなどを伝えて確認をとる作業をしています。

 

これらの違いはいろいろな面で影響がでます。

バレエの場合はリハーサルまで舞台を使うことがないことも良くある話。

フィギュアスケートの場合は、氷の硬さが会場ごとにちがったり、客席の様子が違うことはありますが、

競技をする場所の条件は基本的に変わりません。

国際大会では究極、トップ選手になると製氷にまで意見を言う選手もいます。

温度管理で硬さは変えられるので、自分にとってのベストの環境さえ作り出せてしまいます。

 

そしてそれに伴う練習環境の違いも世界でそんなに違いません。

むしろ日本の練習環境の方が過酷。

日本選手の方が圧倒的に練習時間も多いですし、人口密度の高い状態でやっています。

精神的にも気を払わなくてはいけないことも多いですが、

もともとのスペースがあるので、待ち時間でもわずかな動きの確認などはできる環境にあります。

これらは考慮すると、海外の情報を日本に当てはめてみると

日本人選手の練習量や消費エネルギー量は非常に高いため、

最低でも海外でもでている指標をクリアしておかないと体を壊すことが想像でき

心拍数や消費エネルギー研究データ自体を日本人選手にも当てはめやすい環境にあります。

 

一方、バレエの場合は、圧倒的にデータは多いのですが、

練習環境に基準がないのでデータは当てはめづらいと想像ができます。

バレエのデータは、どこでどうデータをとっているかでこちらも利用する際に

留意しないといけないなぁというのがみえる。

だって・・・・私がテレビでみた海外のバレエ学校やバレエ団のレッスン場が標準じゃないことを

日本の現場にいってわかったわけですから。

 

フィギュアスケートをみていることで、もしかしたらバレエの中にいる人にはわからないことが見えたりする。

同じように、バレエをみることでフィギュアスケートの見えてなかったところも見える。

 

お互いの“あるある”は時に“不思議”になり、

それをとらえるととっても私の仕事は楽しくなり

いろいろな幅も広がります。

 

皆さんも自分と関わりの少ない世界に足を踏み込んでみて、不思議をみつけてみてはどうでしょうか?

 

追記: 先日初めてバドミントントンの大会に患者さんの応援に行ってきました。これまたびっくりで、体育館に10面とって終わったところから次の試合のコールがされるんです。試合開始時間が対戦表に書いてない理由が現場で初めてわかりました。行ってみないとわからないことあるんだなぁとこれまた再発見。