コロナ禍から一転
部活に習い事にと子供たちの動きが活発になってきました。
しばらくからだを動かさなかったこともあり、怪我も増えてきている印象はあります。
コロナ禍でよく耳にしたのは
「子どもの身長が一気にのびた」
ということ
身長を伸ばしたいというのはうちでもよくある相談です。
ざっくり言うと、「よく寝て、よく食べて、よく動く」が身長を伸ばすコツです
よく寝るは、寝てるときの睡眠の深さで成長ホルモンがでるし
よく食べは、骨を伸ばすのもエネルギーも栄養も必要だからだし
良く動くは、適度な負荷は骨を強くするし、筋肉を育てる
といった感じで、これが身長を伸ばしてくれることにつながる。
コロナの前
子どもたちの習い事の多さで問診をとると大人顔負けの
「12時までに寝ます」とかがありました
6-13歳くらいまでは9時間-11時間が米国の国立睡眠財団から指標がでています。
よく食べは、小学生女子であればざっくり1500~2000キロカロリーは必要
ママ世代は30-49歳でみても1750キロカロリー
ざっくりみても運動をする子供たちは少なくともママより食べないと成長できません
よく動くは
日体協の指針であれば、高校生で最大で1週間で16時間が限界で併せて週1-2日の休養が必要と示されています。
もっと簡単な指針であれば、8才では8時間、9歳では9時間という感じで、年齢の数字だけ部活やバレエなどのレッスンをいれるのが適切であるということです。
さて・・・・院にはたくさんの競技やバレエの方が来院されます。
バレエは特にひどくて「10:00過ぎにレッスン終わります」とか「終電近くで帰ります」って話がでたりします。
バレエスタジオの先生たちって院の予約みても午前の予約をあまりとりたがりません。
先生自身も夜が遅いので、午前の診療はつらいからですよね。
でも生徒さんの登校時間は7-45~8:20がとっても多く、逆算してもとても9時間なんて寝られないんですよね。
よく食べるは
いまだに小学生に対しても「痩せろ」の指導をされている先生がいらっしゃいます。
「軽いから動ける」はいずれ成長段階で破綻します。
成長ピーク時にローカロリーで過ごした子は、中学生以上でどんな適切な医療的な介入が入ったとしても
怪我が治らないとか十分な骨密度がつくれないとかって陥ることがすでにわかっています。
からだが引き締まっているのとただ痩せているのは見た目が違います。
「細胞レベルから戦えるからだ」に導いてあげてください。
良く動くの指針はさきほどあげたとおりです。
寝ること食べることを阻害するほど動くは「害」でしかありません。
身長は伸ばせる時にしか伸びません。
あとからなんとかなるものではなく、また遺伝要素が9割です。
遺伝要素の9割をしっかり引き出した上に環境要因をそろえないと、遺伝を超える高身長は望めません。
バレエだけでなく、子どものバランスのとれた成長に配慮するのは大人がすべきことであって、
子どもにとっては「権利」です。
子どもに子どもの「子ども権利条約」というのが国連からでています。
これを阻害するのは「ハラスメント」とされています。
ぜひ、注意して、子どもの健康を守れるように、すくすくそだっていけるように大人ががんばりましょうね。