エコーでチェック


昨年末に超音波検査器、通称【エコー】が来ました。

エコー検査っていうと多くの人が想像するのが、妊娠したときの赤ちゃんのエコーです。

20041160 – ultrasonography analysis of a 4th month fetus, italy

実は近年、整形外科の領域でもエコーが使われることが多くなってきました。

葵でも昨年末に新たに導入。

以前、勤務先で使っていたことがあるのですが、昨年、同業の先生にエコーをお借りして

再復習状態。。。満を持しての購入。。。。高かった(笑)

それにしても今のエコーは格段に画像がいい。

葵で導入した理由はいくつかあります。

 

ポータブルにすることで、院外に持って行ってその場で外傷のチェックができる。

レントゲンやMRIではみられない動きの中で筋などをチェックできる。

疲労骨折や肉離れ(だけではない)の、治っていく過程で今がどの段階なのかがその場ですぐにわかる。

組織間リリースをした後に本当にリリースできているかが確認できる。

上手く滑走していないのがどこなのかがわかる。

全身のあらゆるところをあらゆるポジションでオンタイムでみられる。

 

たとえば、肉離れを起こした時、レントゲン上ではもちろん骨がおれているわけではないのでなにも見えません。

MRIをとればどの筋がどの程度切れていて炎症をおこしているのかが見えますが、

すぐその場で診て結果をお知らせしてくれるわけではありません。

エコーであれば、その場でエコーでチェックすることができます。

表面上は出血がみられなくても、深部で出血が確認できることもあります。

それがあれば数日後にはその内出血は表面にでてくることもわかってきます。

鑑別がつけば、そこからの治療もさらにスムーズにいきます。

痛みというのは本当に個人差がありますし、子どもの場合は、早く部活に復帰したくて

こちらから痛みの確認をしても「痛くない」と答えることもあります。

私自身の治療方針の裏付けにもなってくれるのが画像でもありますし、

それが休んだり、復帰したりする理由の一つになったりもします。

 

私自身が持っている経験と画像の組み合わせで、ちょっとでも過去よりいい治療環境が提供できればという想いでの導入です。


さて、あまり役に立たない方がいいのかも・・・と思うのは骨折確認。

先日も、足元の荷物につまづいて転倒した際、腕をのばしたままで手をついて転倒した方が受診されました。

これで負傷するのは手首の骨折?とおもうかもしれませんが実は折れたのは「鎖骨」です。

鎖骨の骨折は直接鎖骨になにかが当たって折れるというよりは、肩をぶつけたり今回のように手をついて転んだりしたことで

折れてしまうことのほうが多いのです。

 

エコーでチェックするとこんな感じです。折れてるのがわかりますよね。

で、病院でのレントゲン。

これだと一目瞭然。 でも毎回、どのくらいくっついてきたかなぁとかってレントゲンで撮るわけにもいきませんよね。

経過観察を診るという点はエコーはやっぱり便利です。

エコーで骨折をみつけてなんとなくニヤッとしてしまうのが治療家。

でも、患者さん本人にはうれしくない報告でもあります。

うちは、患者さんにも画面をみせているので、感のいい方は画像の見方がわからなくてもわかってしまうことがあります。

心が折れる瞬間でもあります。

みつけてしまったらもうあとは、完治にむけてがんばるのみ!!

 

まずは、何をおいても予防が大事。

でも、けがをしてしまったとき、いち早く状態把握して治療に入ることもやっぱり大事なのです。

エコーでも今後そのお手伝いができればと思います。

 

エコーの検査に関しては、保険適応外ですので、初回に1080円の実費をいただいています。

その後のチェックは毎回300円となりますが、治っていく過程は経験上わかっているので、何度も実はとることはありません。

捻挫であれば最初の途中1回、あとは最終チェックくらいです。