「45°のターンアウトでレッスンやってね」
というのがうちがダンサーにお願いしていることです。
先日この指示を出したらバレエの先生に却下されたとの報告が来ました。
45°はターンアウトでないのか、45°くらいだとレッスンにならないからなのか・・・・
どういう思いでバレエの先生が言われたかはわからないですし、私はバレエの先生ではないので、治療家としての思いをここでは書きます。
膝を痛めた時、まずレッスンで何もできないのか?というとそうではありません。
むしろやることは山ほどあります。
でも、絶対的に必要なのは「アライメントの正しさ」です。
アライメントというのは、骨の配列のことを言います。
上の骨が外むいて、下の骨が内向いて・・・・なんてねじれがあったら膝はどんどん悪化します。
なので、上の骨である大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)はできるだけ一直線のほうがいいんです。
膝を痛めてくる子はこの一直線のアライメントが崩れた状態で踊るので痛めてしまうことが多いのです。
単純に「アライメントの修正」のためにも45°のターンアウトをお勧めしています。
次に、ターンアウトを考えたときに「付け根から回してー」と生徒さんはいわれることが多いと思います。
付け根=股関節のことを指していると思われますし、股関節の外旋の角度というのは「45度」が正常です。
これは解剖学の教科書にも書いてあることです。
つまり45度の股関節のターンアウト(外旋)は最大限の根元からのターンアウトということです。
1番ポジションだけみると180°開いているように思いますが、実際は2番目の指を使って計測するので130~140°くらいです。
股関節の外旋は片脚45°なので両足で90°
膝は個人差がありますが、脛骨の外旋は4-56° 多いのが15°前後 なので両足で30°
足関節は10° 両足で20°
全部足すと140°ですよね??
バレエの先生やバレエ経験者の方ならわかると思いますが、「膝下ターンアウト」は見た目もきれいでないですし、何より怪我につながる。そのために「付け根から(股関節)からまわしてー」となるはずです。
股関節の可動域45°は別にリハビリのために必要というわけではなく、バレエをやる上で絶対に必要なんです。
私が治療でできるのは、頭からの指令を足先、手先まで行くようにする神経伝達の改善と、本来もっている関節の可動域を出してあげることだけです。
バレエで使えるようにするには、バレエにつながるトレーニングやリハビリが必要です。
さて、膝を痛めたときに「45°のターンアウトでやってね」の理由はお分かりになりましたか?
治療家としては理にかなった提案だと思うのですが・・・・
膝を痛めたときに何をやったらいいのか・・・・・
ちょっと悩んでしまっているならぜひ相談してくださいね。
一緒に考えて長くつづけていけるようにしましょうね。