土曜日は一般の方にもわかりやすいブログをお届けしています。
1週目担当は院長藤田です。
今回は、最近多く来院される「ボルダリング(クライミング)での手首のけが」についてです。
TFCC(ティーエフシーシー)損傷での検索で葵接骨院が上位検索にひっかかるようで、
問い合わせがよくあります。
TFCC損傷だけでなく、一般的にスポーツで多い手首の怪我というのは、
共通点があります。
これは突き詰めると、日常生活の中にも似たような動きがみられるので、やはり同じように負傷してしまいます。
手首の構造の弱点は
・ ひっぱりに弱い
・ 小指側に曲げた状態でのひねりに弱い
というのがあります。
転んで手を思わずついて手首を痛めるのはなんとなく理解できると思うのですが、
それ以外でも損傷するってあまり想像できないと思います。
関節が安定する条件としては、
骨と骨どおしが近いほうが、滑らかに滑っていきます。
関節の中で骨と骨が遠ざかると途端に関節の滑りは悪くなり、周りの組織に一気に負担が行きます。
最近注目されているボルダリング(クライミング)ですが、
どうしても慣れていないと、身体の体幹部分を使うことなく手に頼りがちになります。
身体の中での操作性は、体幹部が一番悪く、そのあとに手足が来ます。
つまり、体幹部分の操作性が上手く行ってない方は、無理に脚や手に頼ることになります。
結果として、「ぶらさがり」状態になってしまい、関節にとってはさけたいひっぱりが手首にもおきます。
これが多ければ多いほど、手首の安定性は弱くなっていきます。
また、慣れていないと、ストーンにかけた手を小指側に曲げた状態から、手首をひねるようにして
身体を持っていこうとする方がいます。
テニスのバックハンドでも同じことがおきます。
バックハンドで小指側に手首をまげて打ち返すとあっという間に手首は損傷していきます。
どんなスポーツにおいても基本的には、人間の手首の持っている構造は同じで、
弱い動きも一緒なのです。
一般の方の負傷では、飲食業の方がトレーを持っていて、トレーに乗せたものが重くて
バランスを崩しそうになった時に手首を負傷したことがあります。
これも同じです。
時々対処法として、テーピングをぐるぐると手首に巻いていらっしゃる方もいますが、
TFCCは、言っても「手首の捻挫」でもあるので、その捻挫で潤滑を失った関節の機能をもう一度整復することが先になります。
また、うちにみえるケースの場合、骨同士の配列不全が残っていたり関節内にある関節円板がずれたままになってることもあります。
もし3日たっても痛みが引かない場合は、医療機関への受診をおすすめしています。
クライミングをやる際には少しだけ上記の事を思い出してもらい、無理なく楽しんでいただければと思います。
過去のTFCC損傷の記事は → 手首の痛みTFCC損傷にも新兵器?!