以前、バスケのチームを診ていた時に
チームのマネージャーから
【先生、外脛骨ってどの骨?解剖学の本にないんだけど】
って問い合わせがきました。
医療系の資格またはトレーナーさんであれば、思わずクスッと笑ってしまうと思います。
外脛骨というのは特別な骨を指すのではなくて・・・・・
ここが痛いと「有痛性外脛骨障害」と言う病名がつくのですが、
写真の矢印の骨、「舟状骨(しゅうじょうこつ)」に過剰な骨が存在する状態をいい、
痛みがあるものが有痛性外脛骨と言います。
つまり舟状骨というもとからある骨にできた過剰な骨の部分を外脛骨というので、
解剖学の本でさがしてもでてこないんですね。
ここにくっついている後脛骨筋(こうけいこつきん)というのがあります。
ふくらはぎの方向から内くるぶしの下をとおってこの舟状骨にくっつくのですが、
扁平足の方や足のアーチがうまく形成されていないと内側のアーチをつぶしてしまい、
結果としてこの後脛骨筋によって舟状骨がひっぱられて
ここの部分が飛び出してきて靴とかにあたって痛みを生んだりします。
骨が引っ張られるという点では、膝にできるオスグッドにも似ていると思います。
フィギュアスケーターは特に、足の変形が多くみられ、
その変形のなかでもこの外脛骨をみかける確率が高い。
おもに小学校中学年から高学年くらいが一番多いですが、
スケーターだけでなく、大学生のバスケ部でも目にしたことがあり、
ひどいと剥離骨折を起こします。
バスケ部で言うなら、圧倒的に踵をつかない走り方をする選手にこれは多いですね。
足の前半分くらいで走るほうが素早く動けるので
スリーポイントラインの内側での攻防ではそれが有効なのでしょうが、
オールコートもこの走り方ではやはり不都合が起きてしまいます。
バレエでも6番ポジションで外脛骨どおしがあたるなんてことがあるようです。
この外脛骨、いろいろなサイトを調べるとテーピングの方法がいろいろでてきます。
でも、痛みの原因は
「外脛骨」
ではありません。
外脛骨そのものが症状です。
原因を取り除かないと結局は一緒。
原因を治療してそのあいだいい状態をキープするのにテーピングをつかうのならOKですが、
テーピングでなんとかしようとすると、今度は足首から上にアライメントを崩して結局別のところが痛くなってしまったりします。
また、内側のアーチがつぶれているからここのアーチを作るようなインソールを使ってしまうのも問題。
アーチがつぶれるのも症状の一つです。
これも原因ではないからです。
こうなっていくには必ず順番があります。
結果をおうばかりの結果検証論的なアプローチでは
いつまでたっても改善もされなければ、競技の上達もありません。
この外脛骨へのアプローチは長くなるので、また別の機会にしたいと思います。
院では足指の使い方から指導しています。
とりあえず、外脛骨という骨は解剖学書にはないって知ってもらえたらいいかなぁと。
外脛骨の痛みについては、時間をかけて指導したいので、
あおいラボでの受信をオススメしています。