パーソナルトレーニングでは
三角骨障害・中足骨の疲労骨折に悩んでいた
学生ダンサーさんのトレーニング指導をする機会があります。
彼女たちのトレーニングでやらなくてはいけないこと
それは《使い方の再学習》です。
治療を行い、日常生活での痛みが消えた後、そのままレッスンに戻っても、同じ痛みを再発させる可能性はとても高いです。
理由としては、
三角骨障害や疲労骨折を起こした原因は
〈使いすぎ〉〈オーバーワーク〉と言われますが
単純な使いすぎではなく、
〈間違った部分に過剰な負荷がかかっている〉
〈正しい使い方が習得出来ていない〉
ことが怪我に繋がるのです。
そのため、ただ痛みを取るだけの治療をしても、レッスンで今までと同じ動きを行えば、結局痛みを生む原因は取り除かれていないので、何度も繰り返してしまいます。
バレエ・ジャズ・新体操等のつま先立ちが多い競技だけに限らず、フィギュアスケーターにも同じ動きで使い方をチェックします。
その方法が【カーフレイズ】です。
カーフレイズとは、踵を上げ下げする動きです。
バレエの方に分かりやすく説明すると
「6番ポジションでルルベを繰り返す」動きになります。
ターンアウトをしないまま
真っ直ぐ踵を持ち上げることがそもそも出来ているのかどうか。
そして、これを20回30回繰り返したときに
足の甲やアキレス腱近くに痛みが出るかどうかをチェックします。
正しいカーフレイズが獲得されていない
その上で
アンディオールが出来ないままバレエのレッスンを毎日繰り返していれば
もちろん足は悲鳴を上げて怪我をします。
痛みを我慢したままレッスンを続ければ
三角骨が遊離したり、疲労骨折に繋がってしまうケースもあります。
また、間違って動かしている期間が長引けば
その癖を取り除くのにも同じだけ時間がかかってしまいます。
すでに痛みがある場合やより丁寧に使い方をチェックしたい場合は
椅子に座って行うことをオススメします。
例えばこんな感じ。
先日来院された学生の足になります。
彼女は特に痛みがあるわけではないですが、脚の太さや軸が安定しない等のお悩みがあることからカーフエイズのチェックを行ってみました。
何も言わずに行ってもらった写真がこちら。
特に右足のかかとが内側から見えるようになっています。
丁度足の甲の真ん中あたりでねじった様な使い方になります。
場合によっては
このリスフラン関節の捻挫を起こすこともあります。
かかとが内側を向くと体を支える足の位置が外側に流れやすくなります。
かかとの内側に詰まった様な痛みもしくは外側に引っ張られる様な痛み
どちらかがある場合、かかとの向きを正しく整えなければ
まず痛みは消えません。
先ほどの子の右足を整えると・・・
こんな感じになります。
本人も床を押す感覚が分かった!とひらめいたような顔をしていました。
間違った足の使い方では
「床を押して!」
のような先生の指導も感覚が分かっていなかったり、本人はそのつもりでも実際は全然力が入っていなかったり…
《やってるつもり》になっている可能性があります。
治療は終わっているのに痛みが気になる・・・
レッスンの時だけ痛みが出る・・・
まずは使い方を見直してみてください。