5年ほど前の記事ですがリライトしますね。
こういった記事が時々新聞にもでます
記事の内容はボクシングの長谷川穂積選手が、
“捻挫だと思っていたのが、実は靭帯断裂だった”
というもの。
医療従事者ならこれはとっても不思議な記事。
なぜなら
“捻挫 = 靭帯断裂”
だからです。
これ、整形外科や接骨院での“あるある” 話だと思います。
一般の人が言う“足首の捻挫”は
病名でいえば“足関節捻挫(そっかんせつねんざ)”
病名は大抵、状態を示すか、人の名前がついていることが多い。
足関節捻挫は、状態。
しかも負傷したときの状態を示すもの。
足の関節にねじる力が加わって、皮膚の下の組織をいためた。
というもの。
捻る力で挫傷するから“捻挫”なんです。
では、皮膚の下の何の組織を痛めたのか?
その一つが血管だったりするので、
内出血が見られたりするんです。
足首もそうですが
骨と骨をつなぐ組織は「靭帯」と言われていて
この靭帯というのは、筋肉のようには伸びないものです。
だいたい4%くらいしか伸びず、中には1%以下のものもあります。
100mmあって4mmですよ。もっとわかりやすく言うと
10センチの靭帯で4ミリしか伸びないのです。
足首の関節の周辺に10センチの靭帯などありません。
ほぼ伸びない靭帯がそこにはあるだけですので
ほとんどの場合、捻る力が加われば切れてしまいます。
靭帯は1本でできているわけでなく
たくさんの線維が束になってできているので
これが「筋状(すじじょう)」になっているので、
「筋をいためた」
という表現が一般の方では広まっていると思います
筋肉も同じく「筋状」ですので、
これまた「筋違い」や「筋を伸ばした」
という表現を使われることもあります。
話は戻って・・・・・
靭帯はほぼ伸びないので、力が加われば切れてしまいます。
ただ、線維がたくさんあるので
そのうちどれくらいの線維が切れているのか?
で、関節の安定性に関わってきます。
医療者は、捻挫は靭帯が切れている状態だと把握して、
その損傷度合いなどをみて対処をしているので
「捻挫 = 靭帯断裂」
だと医療従事者は思っています。
葵接骨院でも同じように
「捻挫だと思っていて、病院に行ってMRIとったら靭帯が切れていた。思ったよりひどかった・・・・・」
と報告されることがありますが、
さきほども言ったように
「捻挫」の診断が出た時点で靭帯は切れているのです。
最初に診断なり判断した方の誤診でもなく
病名が変わったわけでも、認識が変わったわけでもなく、
変わったのは、患者さんサイドの認識だけなんです。
つまり患者さんサイドの認識や知識不足だっただけなんです。
まぁ、うちでもこれはよくあるから
一応最初に説明したりしますけどね・・・・・
「切れてますよ~」
って。
そうすると
「え!靭帯切れてるんですか?」
って驚かれますけど(笑)
捻挫した時点で大なり小なり靭帯は切れています。
それが1%か50%なのかというちがいです。
だって、靭帯なんて4%しか伸びないんですから。
つまり、この記事を書いた記者さんも
捻挫で靭帯断裂することは知らなかっただけですね。
さて、捻挫の度合いはどうであれ、やっぱりやってほしいのが処置
RICEで知られている処置です。
今後は、足首の捻挫したってことは
靭帯切れちゃったなぁっておもってください。
そして、切れちゃったわけですから
一瞬でくっつわけではないので、
その後痛みがひいたからといって
何をやってもいいわけではないのですよ!!
けがをした場合3日でひかなければやっぱり
一度ちゃんとみせにきてくださいね。
保険診療は